【え!? じゃ兄さんが性的虐待⁉︎】
最近、“じゃ兄さん”が性的虐待で告発されているということが話題になってるみたいだよね?
「性被害」って、すごく気になるテーマ。
でね、YouTubeでそれに関するレクチャー動画を視聴してみたんだ。
その内容は、
⭐️とある芸能事務所の男性アイドルさんたちが「“じゃ兄さん”から性的虐待を受けていた」と告発している。
⭐️「“じゃ兄さん”から被害を受けた(かつて受けていた)という告発は、数十年から現在に至るまで複数件ある。裁判も開かれている。
⭐️イギリスのBBCというTV局がこの件についての番組を放映した。
⭐️なのになぜ⁉︎ 日本のTVでは大きく報じられてないの?
⭐️性的虐待の加害者はどんな特徴の子たちをターゲットとして狙うのか? どんな風に犯行を及んでいくのか?(グルーミング)
⭐️残念ながら今の日本の法律は、欧米諸国の法律の比べて子どもたちを性被害から十分に守れる内容になっていない。
こんな感じの内容だったの。
【わたしにも後遺症?の発作が!】
この動画を視聴して、だいぶ気分が悪くなってしまって……
心の病気の時によく起きてた発作も、久しぶりに起きちゃった。
過呼吸になって、脈拍数が上がって、胸が押しつぶされそうに苦しくて……
そして、すごく悲しくなって、ひどく気分が落ち込んでしまったの。
わたしが試聴したレクチャー動画には性的描写のシーンなんて一切なかった。
スーツを着た男性の語り手さん(Aっちゃん)が一人で、淡々とお話するだけ。
語り手さんの主観は極力入れずに、真面目なトーンで、これまでの経緯と事実をただ説明してくれてた。
告発をした被害者の男性アイドルさんたち(アイドルの卵さんたち)が“じゃ兄さん”からどんな行為をされたのか?
具体的な描写は、プライバシーとかも考慮して、一切語られてなかったの。
(性的な描写をしないでくれて、本当に良かったとわたしは思ってる)
それでも、後遺症?の発作が出ちゃったわたし。
「性被害」
わたしの受けたものは、そんな怖くてトラウマになるようなものではない……
と、思ってた。
もうずっと前のことだし、全然平気だと思ってた。
ううん、むしろ嬉しい思い出でさえあった。
それなのに、どうして?
レクチャー動画を観てたらあの時の場面が蘇ってきて……
息が苦しくて、心臓ドキドキで、胸が押しつぶされそうで……
本当は平気じゃなかったのかな?
【学校の先生から受けた“いたずら”】
わたし、その先生のことがとっても好きだったの。
ヒスパニック系男性の、おじさん先生。
お名前は「マブリー先生」としておくね。
記憶が正しければ、教会の神父さんでもあったと思う。
優しくて、温厚で、あったかくて、紳士的で、わたしはそんなマブリー先生が大好きだった。
ある時、相談したいことがあってね、マブリー先生のお部屋を訪れたの。
その時わたしは左足の膝(ひざ)をけがしてたんだけど…
「あっち、怪我してるのか? 大丈夫か? よし、私が診てあげよう!」
うんせうんせって、マブリー先生がわたしの下の脱がし始めた。
たぶん、わたし、すごくビックリしたんだと思う。
Σ(゚д゚lll)
声も出せなくて、固まっちゃって、身動き一つできなかったのを覚えてる。
その時のマブリー先生はいつもと全然違ってた。
息がはぁはぁ荒くて、目がギラギラしてて。
こんな先生、初めて見た。
いつも温厚で紳士を絵に描いたようなあのマブリー先生が、まるで動物さんみたいになっちゃった……
でね、
下を脱がした先生は、足じゃなくて、わたしのベイベちゃんを一生懸命にモミモミし始めたの。
??????
先生……何……してるの?
そこ、全然関係ないよ?
わたしの怪我してるのは左の膝(ひざ)だよ?
でもね、あの時のわたし、不思議なくらいに怖さを感じてなかった……
……って、自分では思ってた。
てゆうか、何の感情もないというか……
頭真っ白で、何も考えられなくて……
まるで他人事みたい。
まるで、離れたとこにあるTV画面をぼーーーっと見てるみたいで。
少し上の視点から、ただ呆然と見てたような。
ただ、ただ、マブリー先生にされるがままで……
【わたしを可愛がってくれたんだ】
わたし、女の子になりたい男の子だったの。
男の子の姿だけど、本当は「可愛くなりたい」って思ってた。
だからなのかな?
あとからこう考えたの。
マブリー先生はわたしのこと、女の子として見てくれたんだ
可愛いって思ってくれたんだ。
だからわたし、嬉しい♡
虐待?
ううん、違うよ。
ただの「いたずら」
わたしが、抵抗しなかっただけ……
【きっと先生も、辛いのね?】
あとね、こうも考えたよ。
先生は神父さんだから、「真面目にしなきゃ」「紳士でいなきゃ」って、いつも無理して我慢してるのかもしれない。
「エッチな気持ちなんか持ったらいけない」って、無理に押し込めてたのかもしれない。
だからつい我慢できなくなってエッチなことしちゃったのかもしれない。
大好きな先生が「いけないことをした」だなんて、これっぽっちも思わなかった。
【悲しみの理由】
あの動画を見て、悲しくなったのはなぜかって?
たぶんそれは、「わかってしまった」から……
「先生はわたしを女の子だと思ってくれたわけじゃない」
って。
「可愛い」とは思ってくれたと思うよ?
でも「女の子」って思ってくれたわけじゃないんだって。
“じゃ兄さん”は男性アイドルの卵の男の子たちにムラムラする「男の子好きな男性」
同じようにマブリー先生も、「男の子好きな男性」
それがわかっちゃった。
「わたしを女の子として可愛いと思ってくれたからエッチなことした」
幼稚なわたしがそう思い込んで、勝手に一人で喜んでただけ……
【ターゲット】
「小児性愛の加害者はどんな子を狙うのか?」
<狙われやすい子の特徴>
●内向的で
●言い返したりできなさそうで
●反抗しそうになくて
●悩みを抱えてそうな子
わたし、見事にその全部が当てはまる子だった。
だからわたし、痴漢さんたちからよく狙われてたんだわ。
マブリー先生から見たら、わたしは、ただのターゲットの一人。
そう思うと、悲しいな……
それでもね、わたし、今でも信じたいの。
マブリー先生が、
「あっちは可愛いな。きゅん🤍」
って感じてくれたって……
誰でもいいってわけじゃなかったって。
【あれは「性的虐待」】
あの「いたずら」が「性的虐待」だと知ったのは、だいぶ後になってからだった。
時が流れて、大人になって、わたしは性同一性障害でメンタルクリニックに通うようになった。
性同一性障害の診察では精神科のお医者さんとカウンセリングを重ねて、自分の「生育歴」を少しずつ振り返るの。
例えば
「小学校高学年の時はどんなでしたか?」
「中学生の時はどんなでしたか?」
事前の宿題としてパソコンで書いていって、当時の写真と一緒にクリニックの先生に提出するの。
わたしはマブリー先生から「いたずら」されたエピソードを「嫌な思い出」じゃなくて「嬉しかった思い出」として書いていったの。
今まで誰にも話したことなかった、マブリー先生との秘密の思い出……
でもね、メンタルクリニックのちゃーき先生はそれを「性的虐待」って表現したんだ。
「虐待?」
「いたずら」じゃなくて「虐待?」
違和感があった。
だってマブリー先生は暴力なんか振るわなかった。脅したりもしなかったから。
「虐待」って暴力とか、脅しとか、恐怖とか、そういうものでしょ?
でもあれは、世間的には、立派に「性的虐待」になるらしい。
【わたしも同罪】
未成年への性的虐待。
それが、マブリー先生がわたしにしたこと。
こんなに時が経っても、あの場面が脳裏に蘇ってくる。
呼吸が苦しくなる。
胸が苦しくなる。
それはたぶん「本当は怖かった」という身体からのサイン。
でもわたし、嬉しいとも感じた。
これは本当。
「わたしを女の子扱いしてくれた」
「わたしを可愛いって思ってくれた」
「だからわたしに欲情してくれた」
「だからわたしにエッチなことしてくれた」
「だからわたし、嬉しかった」
「性的虐待」ってわかっても「嬉しい思い出」
今からわたし、不謹慎なこと言うよ?
確かにわたし、あの場面を思い出すと恐怖の発作が出る。
でも、同時に……濡れちゃってる……
マブリー先生がわたしにムラムラしてくれた♡……
エッチなことしてくれた♡……
それに身体が反応して、いつの間にか濡れてる……
わたし、本当に、はしたない子だ……
不謹慎な子だ……
だからわたしも、先生と同罪……
【やっぱり後遺症?】
動画を観た翌日。
幼稚園でお仕事してても、あの場面が何度も目の前に浮かんできた。
過呼吸と動悸、胸の圧迫感。
苦しくてまともに立っていられなくなる。
わけもなくガクッと気分が落ち込む。
「やっぱりこれって、後遺症だよね?」
「性被害」「PTSD」
お昼休みに検索してみたけど、また苦しくなって、調べられなくなった。
以前に「性的虐待と多重人格」をテーマにした本で読んだことがあるの。
人間には「強すぎるストレスと恐怖感から心を守る防御機能」みたいなものが備わっているって。
「こんなに酷い目に遭っているのは自分じゃない」
そう思いこむことで、今起きている酷い現実から自分を切り離し、心を守る。
狂乱することを防ごうとする。
性的虐待を受けた人が「膜が張ったような感じ」とか「他人事」って表現することがあると聞くけど……
これも、あまりにも辛い状況下で、意識から生々しい感情を切り離して自分の心を守る「解離」なんだよね。
あの時のわたしは無抵抗で、されるがままで、それをもう一人の自分がただ上から見てた。
まるで「他人事」みたいな感じで。
今思うと、あれは心の防御機能だったのかも。
やっぱりわたし、あの時、本当は怖かったんだ。
明日の月曜日は性同一性障害のホルモン注射をしてもらう日。
メンタルクリニックの雪鱈先生に、このこと、聞いてみよっかな……
【性的虐待、多重人格、壮絶なPTSD】
仲良しだった、ショコラって子がいたの。
彼女は「解離性同一性障害」つまり、「多重人格」に苦しむ女の子だった。
彼女の苦しみは本当に壮絶だった。
毎晩のように悪夢を見る。
だから眠ることが怖い。いつも睡眠不足。
ストレスがかかると声が全然出せなくなる「痙攣性発声障害」もわずらってた。
これも性被害の後遺症?の一つ。
頭の奥でたくさんの人たちが話し合ってる声がするし、気配も感じるって。
ふと気づくと、自分が5階のベランダの手すりを歩いていることがあるって。
それは彼女の中の他の人格が自死(自殺)しようと試みてる最中に、主人格のショコラが意識を取り戻して気付いたってこと。
自分の意思とは反して水をはった洗面器に顔をつけてしまう。
息ができない、苦しい、でも顔を上げることができない。
ショコラが言うには、彼女を殺そうとしている“怖い人格”が心の中にいるらしい。
その人に上から頭を押さえつけられて、苦しいのに水から顔を上げられないんだって。
「この子は頭が変だ」
何度も病院に連れていかれて、変な検査を受けさせられたりしたけど……
頭の中にたくさんの人がいるなんてことがバレないように、誤魔化して対応していたって。
例を少し挙げただけでも、ショコラの日常はこんな感じだった。
こういった、命の危機のギリギリのところを、苦しみながらなんとか生きている多重人格の人たちがこの国にもたくさんいる。
その多重人格を引き起こすのは、幼い頃からの度重なる虐待を受け続けた体験と言われている。
あまりに辛すぎる状況から自分を切り離す「解離」を繰り返して、一人の中に何人もの人格ができてしまう重篤な状態。
特に、性的虐待によって引き起こされることが多いらしい。
ショコラもまた、壮絶な性的虐待を受けてきた女の子だった。
突然のフラッシュバックで命の危機を感じるような場面が蘇ってくる。
呼吸が荒くなって、泣き叫んで、大量の汗をかいて……
複雑性PTSDの壮絶な苦しみ。
わたしは大好きなショコラを通して、性的虐待サバイバーの人たちの命懸けの生き様を知った。
彼女と一緒に本も読んで、性的虐待や多重人格について勉強もしたよ。
わたしにとって「性的虐待」と言う言葉の重みは、これほどまでに重いもの。
そんなショコラを知っていたから、わたし自身のほんの軽い性被害体験なんて「いたずら」くらいにしか、思えなかったんだよね。
性的虐待
トラウマ
多重人格
複雑性PTSD
「事故死」「自死(自殺)」として片付けられるケースの裏側には、実はこんな壮絶な、性被害サバイバーさんたちの人生が隠されているのかもしれない。
【お・わ・り♪】
今回はちょいと、シリアスなテーマだったね。
でもね、性的虐待に限らず、児童虐待のニュースって昔より増えてる気がしない?
でもそれは氷山の一角だよね?
性的虐待。そこから生まれる多重人格の壮絶な苦しみ。
わたしたちの知らない所で、命懸けで、苦しみながら生きている人たちがたくさんいる。
わたし、そんなこともあるんだって、みんなに知ってほしかったんだ♪
じゃあ、まったね~♪
「あ! 虹色エンジェル♪」のあっちでした!